港湾を深く知ろう
古くは、河川の河口や湾や入り江といった船の停泊に都合の良い天然の地形が港として使われていた。やがて桟橋や岸壁が作られ、海運の発達によって船の規模が拡大するとともに施設は充実され、沖に突堤を突き出すようになる。税関や検疫所、出入国管理所が設けられ、旅客船の増加と規模の拡大に応じて旅客施設が作られた。貨物荷役の便益の為に桟橋上や岸壁横には上屋が多く建てられ、道路や鉄道が港に接続されるようになった。 交通の要所となると他国・他地域との文化的な玄関口となると共に、商業活動によって経済的な発展を遂げて港湾都市として繁栄するようになり、ますます港湾機能の充実が図られた。埋め立て、陸地の掘り込み、浚渫などによってそれまでの港湾の規模を拡大することも行なわれた。また、天然の良港として長い時間をかけて発展してきた港とは別に、人間活動の要請に応じて、新たな港が作られるようになった。鉄鋼業や石油化学工業の発展によって専用の貨物船に対応した工業港が作られ、専用ターミーナルとして発展して行った。 貨物船はしだいに大きくなり、港での荷役に数日が掛かるようになったため、港外で桟橋や岸壁の空きを待つ「滞船」(たいせん)が起きるようになった[1]。また、大型貨物船が直接接舷できない多くの港では、沖仲仕(おきなかし)が湾外で停泊する貨物船と陸の間を艀(はしけ)に貨物を積み替えることで荷役を行うなど、非常に非効率であった。 コンテナ船の登場で港での荷役作業は効率化されたが、同時に港の荷役設備は更新を迫られた。コンテナ船の巨大化に応じて浚渫やクレーンの大型化が図られ、コンテナターミナルとして発展していった[出典 1]。21世紀に入ると国際貨物コンテナを扱う港は、ハブ港とフィーダー港に峻別される傾向が鮮明になってきた[出典 2]。 機能 島・岬や湾入などにより遮蔽された地形は、しばしば、天然の良港と呼ばれる。近代に入ってからは、防波堤・岸壁といった構造物や掘り込み式港湾などの建設技術が著しく向上し、天然の地形に恵まれない場所でも大規模な港湾が造られている。英語の"Harbour"は、古英語の軍隊 "here" をかくまう "beorg" に由来しており、船舶が安全に停泊できる港という避難港的な意味合いが強い。そして、港湾として求められる最も重要な機能でもある。 旅客の乗降や貨物の荷役・保管といった水陸輸送の転換機能、すなわち、ターミナル機能も港湾の重要な機能である。そのため、港湾には、船舶の係留のみならず、貨物の荷さばきと保管、旅客の乗降、港湾から後背地への陸上輸送などのための施設が整備されている。英語"port"の語源は、古代ローマのラテン語の「運ぶ」を意味する"portare"である。そして運び入れたり運び出す場所をport(門)と呼ぶようになり、都市・国家間の輸送の門である港湾の意味に転じた。すなわち、port には水陸輸送の転換場所という意味合いが強い。 これらの他の港湾の機能としては船舶へ水・燃料・食糧・船用品などを補給する運航援助機能などがある。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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